2017年4月12日水曜日

『パッセンジャー』



テレビCMこそ放映されていたものの、映画館はがらがらで興行的にはまったく話題になっていない気がするが、相当面白かった。「愛」「嫉妬」「人間としての選択」といった普遍的とされる感情がなぜ普遍的なものでありうるのかという前提条件への思考を、変数のように前提条件を変化させていくことで促し、確かにそれらがこの先も普遍性を持っているかもしれない、と考えさせる哲学的というよりは構造的な側面を持った、しかし純粋場エンタテイメント作品だった。ゼロ・グラビティ的な要素を含む映像体験としても秀逸。余談だが、この予告編を見ているときに、超絶不人気となった『エイリアン』シリーズの続編(というよりも時間軸でいえば起源にあたる)『プロメテウス』の続編がリドリー・スコット監督で公開されるらしく、気になっている。『ローグ・ワン』もそうだが、後出しで時間軸を越えてストーリーの整合性をつけるという強い制約のもとで制作される続編ものが結構好きなのだが、『ブレードランナー』の続編といい、楽しみなものが増えて嬉しい。