2013年11月26日火曜日

ぼくたちは特定秘密保護法案がどうなったかを、2015年の統一地方選挙、2016年の国政選挙まで覚えていなければならない。

特定秘密保護法案が衆院国家安全保障特別委員会を通過した。報道各社が報じているが、たとえば『毎日新聞』は以下のように報じた。
秘密保護法案:衆院特別委で可決 与党強行 みんな賛成 http://mainichi.jp/select/news/20131126k0000e010146000c.html
みんなの党を除いて、民主党、日本維新の会など野党各党は反対に回ったものの、テレビ中継終了後に、採決を行ったようだ。合意に至らなくても採決しなければならないことはあるし、それ自体は間接民主制の常でもある。また防衛、外交、安全保障、テロ防止等において秘密の保全が必要な事項があることも理解できる。ウェーバーの『職業としての政治』 ではないが、最終的に政治家は自身の信念に従って判断し、結果は選挙で問われるべきであることも。

だが、先の『毎日新聞』の記事は下記のように記している。
与党側は、この日の特別委の審議が全国にテレビ中継されていることを考慮。「首相がいる場で採決を強行する姿を国民に見せてはまずい」(自民党関係者)として、質疑を終えて首相が退席した後のタイミングで採決を強行した。 
とてもじゃないが共感できない。テレビに映像が映らなければなんとかなる、国民は「次の選挙」まで記憶していないとみなされている。

他方、さっそく国会前や大阪市役所(?)など、いくつかのデモが企画されたようでもある(Twitterのハッシュタグ「#国会に押し寄せよう」や「#秘密保護法をブッ潰せ」)。スタンスは共感するが、道路交通法や公安条例の範囲内の活動にとどまるかぎり、残念ながらデモという手段による法案提出へのポジティブな効果には懐疑的だ。今できることは多くはない、という認識でいる。

それよりも、ぼくたちは特定秘密保護法案がどうなったかを、どの政党がどういう態度を取ったかを、2015年の統一地方選挙、2016年の国政選挙まで覚えていなければならない。投票行動で意思表示するべきだ。

しかしながらここで頭を抱えざるをえないのが、野党の状況だ。与党が強引な手法を採用できるのは、与党が「まともな野党がない」と国民が認識しているという理解をしているからだ。野党のなかにも、採決に賛同してみたりする政党も現れた。

その意味でも民主党は一刻もはやく立て直す必要がある。「クローズ」に対して「オープン」を、「既得権」に対して「新興勢力」を、今度こそエビデンスを示しつつ論理的かつ共感できるようにぶつけていく必要がある(あと別文脈では、まともな経済・金融政策の道筋も)。今度はゼロからではなく、ビハインドを背負ってのスタートだ。とはいえ特定秘密保護法案を巡る議論は、「結局自民党はクローズを志向する」という印象付けを与えている。コントラストを活かして、二項対立の図式で攻めに回るチャンスでもある。

そのうえで繰り返すが、ぼくたちは特定秘密保護法案がどうなったかを、どの政党がどういう態度を取ったかを、2015年の統一地方選挙、2016年の国政選挙まで覚えていなければならない。