研究室情報【進学、研究生、共同研究等希望者等向け】

西田亮介研究室について (about Dr. Ryosuke NISHIDA's Lab.@titech)
東京工業大学環境・社会理工学院社会・人間科学系 社会・人間科学コース 西田亮介研究室の研究室情報です。
研究室(修士課程、博士課程)への進学、研究生の希望者は、よく読み、 原則として、
十分な時間的余裕をもって事前に連絡し、 個別面談を受けて下さい(海外、遠方在住等の場合はSkypeなどでも可能です)。
(日本語)

(English)

オンラインサロンを始めました。初月無料、社会人2000円/月、学生1000円/月。平日毎日更新。週1選書。月1読書会。
「西田亮介の新書、文庫、雑誌で始めるリベラルアーツゼミ」

2014年2月25日火曜日

Graduate +Rプログラム

来年度から、立命館大学大学院の諸研究科院生を対象に、これまで一部の国立大学で実施されてきた、いわゆる研究科を超えた学びの機会を提供する「Graduate +R」プログラムが始まります。おそらく私大の大学院の取組としては、かなり先駆的なものといえるはずです。

http://www.ritsumei.ac.jp/ru_gr/g-career/stepup/graduate_r_program.html/

このプログラムのなかで、ある意味ではホームベースとなるGraduate +Rゼミナールを、衣笠とBFCで担当します。来年度のテーマは、「2020年のメディアを構想する」。この主題のもと、研究科を超えた院生たちと、多様なスキルの向上を目指します。上記URLからご応募ください。

2014年2月22日土曜日

「JK課」が抱える幾つかの問題

自治体が、女子高生のアイディアを活用するという「JK課」が(おそらくはネット中心に)話題になった。

発端は、朝日新聞の記事だった。

これを書いている時点で、ツイートが2904件、Facebookの「おすすめ」が4137件となっているから、
かなり読まれた記事といえる。

しかし、この記事はいくつかの「間違い」を含んでいる。この記事には次のように書かれていた。
今春、課員が全員女子高生という「JK課」を市役所内に設ける。若い感性で行政と市民の垣根を取り払い、まちを活性化させるのが狙いだ。 市内の高校に通う1、2年生の女子生徒18人がすでに課員に内定。
というのも、実際には市役所内のガバナンスにこのような「課」を設けるわけではない。したがって、課員は存在しない。この「JK課」は、「女子高生が企画立案し、大人がサポートするまちづくりプロジェクト」なのだ。

詳しくは当該自治体は、この件について、「お知らせ」を出している。
http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=14528

そして、この記事は、デスクの指示か、記者本人の意志かは判別不可だが、意図的に上記のようになっている可能性が高い。この企画は、平成26年度の予算案の記者会見で注目されることになったが、当該自治体のこの企画の立案プロジェクトに間接的にかかわった人によると、前述の記事の記者はこの企画の立案過程から取材に入っていた。ということは、自治体のなかに、課ができ、女子高生が課員がなるわけではないことを事前に理解していた可能性が高い。

たとえば、中日新聞系の『日刊県民福井』は、上記のような事実に言及した報道を行った。
http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2014022002000219.html

先の、朝日新聞デジタルの記事は、もし事実誤認なら訂正報を出すレベルではないかと思えるし、もしそうでないなら、新聞の批評性どころの騒ぎではない。PV欲しさの媒体となんら変わりない。

ネットで圧倒的に拡散したのは、全国紙の存在感に支えられた前者だった。筆者自身も、後者の記事を最初は発見できないままに、エントリを書いてしまった。
自治体は革新性を求めるあまりに「JK」という実はハイリスクな表層的記号に安易に飛びつくべきではない。(西田 亮介)- Y!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryosukenishida/20140220-00032845/

そのうえで、やはり基本的な認識に変化はない。自治体は「JK課」などという名称を用いるべきではないだろう。「JK」などという用語を用いた時点で、こうしたリスクは容易に想定できたはずだ(事前に、想定できなかったとしたら、その提案者は果たして、信頼に足るプロなのだろうか?)。

過去に似た取組で、炎上した九州の自治体の取組もあった。若者や女性のまちづくり事業への参加を促進するにしても、こうした名称を使う必然性などどこにもないはずだ。当事者たちの意図とは一切無関係に、ネガティブな性的イメージを喚起してしまいかねない(むろん、当事者の女子高生たちが非難されるべきでもない)。

実際、自治体名と課名で検索して、リアルタイム検索や2ちゃんねるのまとめサイトを見てみると、好機と嘲笑であふれている。仮に当事者らの合意があったとしても、彼女らは未成年者であり、リスクからは逆に大人がサポートしているのであればなおのこと、適切にアイディアをマネジメントする必要があったのではないか。

もしこのようなリスクを承知のうえで、それでもこの名称で、このような事業を担うのだとしたら、ベネフィットをどのように具体的に見積もっていたのだろうか。プロセスレベルでは事前準備もあったと伝え聞くが、しかしながら、少なくとも当該の予算案など、いくつかの資料に目を通した限りでは、ベネフィットの具体像はまったく見えてこないままだ。
企画というのは、いうまでもなく、コストとベネフィットで成り立つわけだから、リスク高の企画を導入するからには、せめて、ベネフィットの具体像と工程表は必須なのではないか。容易に想定されるリスクについては、事前の対応策も必須のはずだ。

むろん不幸も重なった。先の悪意あるメディアの報道、そして、いうまでもなく、地方自治体の職員の方々はPRやネットの専門家ではない。しかも、主要事業の一覧表によると、この事業は、提案型事業の提案を受けて、(事業経験の少ない)若手職員の新規企画枠として、予算化されたように見える。いずれにせよ先のメディア報道にかかわらず、練度とリスク管理の観点に、少なからず課題があったのではないか。

当該自治体は、伝統産業の革新や、最新の情報化の導入を積極的に取り組んでいる自治体だ。それだけに、尚更のこと、奇をてらいすぎた手法を採用する必要はなかった。若者や女性の知恵を活用する、本質的に革新的な企画に期待したい。

2014年2月20日木曜日

自治体(…だけではない)は革新性を求めるあまりに「JK」といった実はハイリスクな表層的記号に安易に飛びつくべきではない。

ある自治体に、「課員全員が女子高生(JK)」の課ができるというニュースがネット上を賑わしている。
課員は全員女子高生「JK課」- 朝日新聞デジタル
http://t.asahi.com/e0p2
好奇心いっぱいで、リンクをクリックした人も少なくないのではないか。多くの自治体は財政難にもかかわらず、住民サービスの拡充や他自治体との差別化競争に晒されている。おそらく当該自治体も、こうした圧力のなかで、悪手を選んでしまったのだろう。

ネットのなかには、コストをかけずにマイナーな自治体が注目を集めるための新しい取組として肯定的な意見もある。
女子高生が市役所課員・【鯖江市JK課】は、行政に「ゆらぎ」を引き起こす社会実験だ!
http://huff.to/1gX5tQb
だが、これはどう考えても筋が悪い。自治体はネガティブイメージを一気に、広く流布する、炎上商法をしてもしょうがない。確かに一瞬ネットでも関心が高まるだろうが、出来のわるいウェブサービスと同じで、すぐに消費されてしまう。

また下手をすると一気に強い批判の対象になりかねないリスクを抱えている。そもそも女子高生を「JK」などと呼ぶような提案自体が、90年代の回顧的で全く新しくない。そもそも住民としてもあまり住み心地が良くないし、外部の人間にとっても、せいぜい一瞬の好奇心の対象にしかならないだろう。

たとえば、Yahoo!リアルタイム検索の検索結果を見てみてほしい。

見ればすぐにわかるが、侮蔑と、半ば嘲笑的な書き込みが大半だ。本当にこれで良いのだろうか。

そもそも、ちょっとまともに考えてみれば、若者のアイディアを取り入れるなら、組織に組み込む必要などなく、たとえば実行委員会形式でもよいはずだ。また女子高生に限らず、高校生は受験を考慮すると、2年程度しかコミットできないはずで、大学生と比較しても人材の持続可能性に乏しい。

またこうした提案は、外部からの提案によってなされることは少なくない。広告や宣伝業界では、ある意味では「事件」を起こしたものが「勝ち」。その事実が、業界内でアイコンとして持て囃される。その意味では、コストをかけずに、ポジティブであれ、ネガティブであれ、注目を集めて、お得なのは、自治体ではなく、この提案を行った外部の人物だけである。この提案を行った人物が、過去にきちんと顕著なアウトカムを創出しているかどうか、あるいは提案が具体的な工程表にもとづいているかを精査すべきだ。

この提案は、どうやら提案型事業で、上がってきた提案を検討だったようだ。住民参加の新手法をどうマネジメントしていくかが問われる案件ともいえる。これに懲りず、萎縮せずに頑張って欲しいが、今回の取組は悪手以外の何ものでもないだろう。

福井県には、「福井県ブランド営業課」という、成果を挙げているガバナンスの革新的な取組があったりする。確かに、自治体が置かれた状況は苦しい。かといって、明らかに筋の悪い提案に飛びついては元も子もないだろう。

2014年2月19日水曜日

ジャーナリスト・キャンプ2014 高知 にデスク役で参加します。

職業ジャーナリストのみなさんが職場を越えて、ジャーナリズムの手法や知見を共有する「ジャーナリスト・キャンプ2014 高知」にデスク役で参加します。この数年、なにかとご一緒する機会の多い、法政大学の藤代裕之先生のお誘いです。ITを用いた政策過程の透明化に関心があり、その主体としてのジャーナリズムに興味を持つようになって、一連の毎日新聞社とのネット選挙報道の取り組みがあり、さらにジャーナリストのみなさんとご一緒させていただくことになった次第です。
ジャーナリスト・キャンプ2014 高知 http://jcej.info/jc2014/ #JCEJ

2014年2月17日月曜日

「ソーシャルメディアを用いた 選挙啓発事業の手法等の検討 ――2013年のネット選挙解禁からの示唆」

先日、総務省や選管の方々の研究会で、講演しました。
西田亮介,2013,「ソーシャルメディアを用いた 選挙啓発事業の手法等の検討 ――2013年のネット選挙解禁からの示唆」@公益財団法人明るい選挙推進協会「ソーシャルメディアを利用した選挙啓発に関する研究会(第2回)」(2014年2月12日@主婦会館プラザエフ).

2014年2月16日日曜日

「情報社会と政策形成研究会」第1回研究会

この度、国際公共経済学会次世代研究部会に、「情報社会と政策形成研究会」という定例研究会を設置しました。広く、情報社会と、政策形成に関する研究者、実務者の研究活動促進、ノウハウの共有、信頼関係構築を目的とします。

下記、http://ciriec.com/ より引用。
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この度、西田企画委員長発案のもと、CIRIEC事務局より定例での「情報社会と政策形成研究会」設置が承認されました。

つきましては、研究会の趣旨及び、第1回研究会のご案内を以下の通り致します。

研究会主旨
情報技術が急速な発展を遂げる一方、しばしば既存の社会システムとのあいだで摩擦を引き起こしている。また情報技術のポテンシャルを引き出すための政策のあり方についての研究は十分とはいえない。本研究会は、このような問題意識から、情報社会における広い意味での政策とガバナンスについて、研究報告、ゲストレクチャー、輪読等を通じて、検討するとともに、当該分野の研究者、実務者等の交流促進を目的とする。

次世代研究部会企画委員長 西田亮介

第1回 情報社会と政策形成研究会

報告者:工藤郁子(キャンペナー)
主題:「キャンペーンと民主主義の展望」(仮)
日時:2014年2月22日(土)13時半〜16時半
場所:喫茶室ルノアール 銀座昭和通り店マイ・スペース
http://standard.navitime.biz/renoir/Spot.act?dnvSpt=S0107.2076
(都営浅草線東銀座A8出口徒歩2分京橋方面向かって昭和通り左手沿い)
会場費: 部屋代1時間1600円+ドリンク1杯
定員:先着10名
研究会についてのお問い合わせは、国際公共経済学会事務局(japan@ciriec.com)までお願いいたします。

Peach Aviationに乗ってみた。

閑話休題。東京、京都の間を果てしなく行き来している毎週なのだけど、毎週新幹線だと飽きる。ときどき、乗り物を変えてみるのだけど、ちょっと前に、物見遊山がてらPeach Aviationに乗ってみた。

その前には、jetstarにも乗ってみたことがある。

Jetstarは、関空では隅っことはいえ、他社と同じ国内線ターミナルにあるけれど、Peachは違う。Peach専用のターミナルがあって、そこまでバスで移動しなければならず、10分くらいかかる。国内線にありがちな、「20分前に着けばだいたいOK・・・」的な読みは外れる可能性があるので、お気をつけて。専用ターミナルで、手荷物検査を終えると、Peachワールドが広がっている。一般的な殺風景な待合室ではなく、色とりどりのイスが、特定の方向を向くわけではなく、雑多においてある。ある意味楽しい。

課金PCが、たくさんおいてあるところは、LCCらしい。ゲートの外も、写真のように飛行機がたくさん並んでいて、歩いて乗りに行くあたりが、Jetstarよりもいっそう気合が入っている感じ。Jetstarに乗ったときは、チープでもわりと計算された快適さがあったけど、Peachは全体的にカッコ良いわりには、狭く、あまり快適とはいえなかった。

とはいえ、うっかり忘れ物をしてしまって、忘れ物対応がメールでの問い合わせをして、結局見つからなかったものの、丁寧に対応してもらえた。

結論からいうと、トータルのコスト的にも、快適さでも、総合的な観点から、東京、京都間を移動する新幹線を上回る手段というのは発見できていない。LCCが羽田に乗り付けられる日が来たら、コストと時間の観点で、競争力を持ちうると思うけど、成田が拠点になっているかぎり、新幹線には勝てない(チケット次第で1000円くらい安くなったりすることはありえそう)。たぶん、アジアや沖縄への移動に使うのが良いんだろうなあ、などと思った。



2014年2月15日土曜日

2014年2月14日金曜日

生きざまは全部デモ ネット世代の選挙のゆくえ・後編 西田亮介×三宅洋平

三宅洋平さんとの対談の後編も公開になりました。
生きざまは全部デモ ネット世代の選挙のゆくえ・後編 西田亮介×三宅洋平 | 語った | ジレンマ+ #nhk_jirenma http://dilemmaplus.nhk-book.co.jp/talk/6084
前編
政治の理念を再定義しよう ネット世代の選挙のゆくえ・前編 西田亮介×三宅洋平 | 語った | ジレンマ+ #nhk_jirenma http://dilemmaplus.nhk-book.co.jp/talk/6080

2014年2月13日木曜日

「政治の理念を再定義しよう ネット世代の選挙のゆくえ・前編 西田亮介×三宅洋平」

三宅洋平さんとの対談コンテンツが公開されました。三宅さんのバックグラウンドに、ぼくがインタビューしながら掘り下げていくような建付になっています。昨年収録したものです。
政治の理念を再定義しよう ネット世代の選挙のゆくえ・前編 西田亮介×三宅洋平 | 語った | ジレンマ+ #nhk_jirenma http://dilemmaplus.nhk-book.co.jp/talk/6080

2014年2月12日水曜日

Web春秋短期連載「ポスト3.11の情報社会――それでも「ネットは政治を変える」のか、あるいは、その前提条件とは何か」第1回「「『ハーメルンの笛吹き』は若者を動員するのか、それとも民主主義の危機か ――2013年、ネット選挙解禁の裏側で」

昨年、春秋社のPR誌『春秋』に寄稿した三宅洋平さんについて論じたエッセイに加筆修正したものです。

Web春秋短期連載「ポスト3.11の情報社会――それでも「ネットは政治を変える」のか、あるいは、その前提条件とは何か」第1回「「『ハーメルンの笛吹き』は若者を動員するのか、それとも民主主義の危機か ――2013年、ネット選挙解禁の裏側で」
http://www.shunjusha.co.jp/web_shunju/01_post311.html
遠くないうちに、別媒体ですが、三宅洋平さんとの対談もアップされると思います。

2014年2月10日月曜日

公開研究会「ポスト3.11の情報社会」ゲスト:東浩紀 / 2014.2.17.Mon 19:00-21:00

下記のように、公開研究会「ポスト3.11の情報社会」を、東浩紀さんをお招きして、京都のGACCOHさんにて開催します。すでに、満員御礼となってしまっているのですが、前日に一瞬、どこかのタイミングで追加募集するつもりでいます・・・

http://www.gaccoh.jp/?p=5452より引用・・・なのだけど、もともと案内書いたのもぼくでしたw)
−−−
2000年代を通して、インターネットのプラットフォームは、ハード、ソフトともに急速に普及した。スマートフォンに、ブログやソーシャルメディアの急速な普及は、日本社会にもたしかに訪れた。それらの普及は、ビジネスだけではなく、政治、社会など、広汎な分野に変革をもたらすものと思われたし、現に「集合知」や「ロングテール」「デジタル・デモクラシー」といった言説は、閉塞した日本社会を切り開くのではないかと期待された。「アラブの春」や、インターネットを駆使した米大統領選挙などが、その期待に拍車をかけた。
 ところが、2011年に東日本大震災と原発事故を経験し、2度の国政選挙を終えた現在、日本社会が直面しているのは、むしろ「変革の終焉」ではないか。1990年代初頭からの政権交代は頓挫し、衆参の捻れさえない自民党政権に戻った。情報技術で選挙や政治を変えるという試みも、今のところ大きなインパクトを残せてはいない。2013年の流行語大賞は、テレビ由来のものが上位を独占した。繰り返されてきた、「情報技術が社会を変える」という言説は、日本社会では地に落ちたといわざるをえない。
 改めて、「情報技術で社会を変える」構想と方法論を考えなおす時期ではないか。本研究会は、そのような問題意識のもと、思想家、作家として幅広く活動する東浩紀氏をお迎えして、討論者とともに、日本における「ポスト3.11の情報社会」の構想を展望する。
 
ゲスト(講演)

東浩紀(思想家、作家)
 
討論者

吉野裕介(京都大学大学院文学研究科アジア研究教育ユニット研究員)

柴田悠(同志社大学政策学部政策学科 任期付准教授)

高原基彰(関西学院大学社会学部社会学研究科准教授)

西田亮介(立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授)

日時:2014年2月17日(月)19:00-21:00(予定)

場所:GACCOH(京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)

参加費:無料

主催:西田亮介(立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授)

共催:GACCOH

2014年2月9日日曜日

もうひとつの、政治のネット活用「 #民主党大会2014」をご存知ですか?

2014年2月8日は、首都圏は大雪が降るなか、東京都知事選の選挙運動期間の最終日を迎えた。今回の都知事選では、2013年の公選法改正によってネット選挙が解禁になり、各候補がネット選挙に取り組んだことはよく知られている。なりすまし騒動や、ネットでの動員、ネット中心の活動を表明した候補などが登場して、とりあえずネットではそれなりに話題になったし、定着した(ネット選挙の報道として、筆者と毎日新聞社の共同研究なども(ステマ気味に・・・)。

しかし、ここで紹介したのは、都知事選のネット選挙ではない。民主党の2014年党大会におけるネット活用である。民主党は、福島県郡山市で、2014年の党大会を行っている。その党大会で、桜井充民主党政策調査会長がツイキャスとTwitterでQ&Aを行う企画に取り組んでいた。民主党としては、新しい企画だったようだ。

以前、フォローしてた民主党のマスコット「民主くん」のアカウントが呟いていたのを目にしていた。

そこで、事前に以下の3つ+あとから2つの質問をハッシュタグ「 #民主党大会2014」で入れておいた。

結論からいうと、司会の人がいの一番に拾って、確かに櫻井民主党政策調査会会長に振って、回答を行ってくれた。
民主党はじめての試みだったわけだから、まずは実現にこぎつけた「なかの人」に敬意を表したい。だいたい日本的な組織と、ネットの取り組みの相性は良くない。大学、自治体、マスコミはそうだった。民主党は、かつて2000年代を通してネット選挙解禁を強く主張していたとはいえ、おそらく政党も同様だろう。

いろいろと不幸も重なった。まず8日の20時15分という開始時刻は、ちょうど都知事選の地上戦直後だ。最近の大型の選挙では、ネット選挙の一環として、ニコニコ動画等で「最後のお願い」を放送する(ネットでの選挙運動は、8日いっぱい可能)。政治に関心があるユーザーはそちらを見ていたのではないか。

ツイキャスは、時間が来ると切れるので、これは放送全体の視聴者数の延べ数ではないが、放送終了直後の視聴者数は同時視聴者数36人/計158人だった。野党の取り組みとはいえ、これはいささか寂しい数字だ。たとえば、選挙運動期間中に、2度ニコ生でネット選挙の解説をしたが、ともにのべ3万人近い視聴者だった。



見ている限りでは、いくつかの課題があった。ほぼマスコミ取材のような対応に終始していて、ネットならではの特性にフォーカスできていなかった。動画ではもう少し長くご回答いただいていたのだけれど、たとえば、ぼくの1つ目の質問と対応する回答を比較してもらうとすぐわかるが、ぼくの質問に直接回答していない。民主党の総括の有無について問うたけれど、民主党内部の要因ではなく外部要因について回答している(テキストにはないが、「動画では、党内の調整が難航している」旨の発言もあったはず。ちなみに3番目の質問への回答は、「スポーツ等への寄付のあり方を検討したい」という主旨だったはず)。ネットはマスへの回答でもあり、同時に個人への回答でもあるから、こういったズレへの反応は敏感だ。

加えて、タイミングの悪さもあり、残念ながら事前の盛り上がりに欠いた。ハッシュタグへ寄せられた質問が少なすぎた。政治についての関心が、明らかに都知事選という他所に向く日時は回避し、刺さる、換言すればユーザーが興味を持てるコンテンツを十分に企画すべきだった。

とはいえ、こうした試み自体は非常にユニークだから、「やっぱりネットはだめだ」ではなく、さらにネット対応して挑み続けてほしい。与党自民党は、相当なネットの対策をしているわけだから、(一応)最大野党の民主党はやはりコストが低く、新しい分野でもあるネットにはもっと注力してほしい。

とはいえ、有権者も、ネットにおける関心の一部を民主党に向けてみてもいいのかもしれない。先日ニコ生のユーザーアンケートで、ネット選挙が解禁されて自分が支持しない候補者について調べるか問うたところ、確か6割近い人が調べると回答していた(もちろん、十分に一般性のある調査などというつもりはない)。支持しない人も、民主党の見解をちらと見つつ、最近、野党が何を考えているのか、野党再生はありえるのか(あるいは、ありえないのか)、などを妄想してみてもよいのかもしれない。

なお、ぼく自身は、1)曲がりなりにも与党経験がある 2) 再編の約15年の歴史があるが、新しい野党再編とその合意にはまた同程度の時間がかかってしまうのではないかという懸念がある 3) 与党が緊張感を持った政権運営に挑むためにも、そこそこ強い野党が必要 という観点から、経済政策やエネルギー関連など政策的にはすべてに共感するわけではないものの、現在の政治を取り巻く情勢においては消極的民主党支持といえる。そういうわけで、昨日の「 #民主党大会2014」の周知に貢献してみようと、こうして夜中にぽちりぽちりとブログを更新してみた次第だ。また民主党は、ネットを使って、(知的に)面白いことをやってくれるだろうか。楽しみにしている。

2014年2月7日金曜日

2014年東京都知事選挙主要4+1候補のGoogleトレンド(2月7日)

先日「2014年東京都知事選挙主要4+1候補と2013年参院選の山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補のGoogleトレンドの比較(2月2日時点)」というエントリを書いた。

マスコミ各社から、情勢報道が出ているが、Googleトレンドはどうだろうか。



  • 2014年2月5日水曜日
  •  家入一真: 10
  •  舛添要一: 16
  •  宇都宮健児: 6
  •  田母神俊雄: 7
  •  細川護煕: 17
残念ながら、ネットの検索量にも大きな変化はない。ネットに注力することを宣言したはずの候補も、検索量という観点では、うまくネットユーザーに訴求できていないようにも思われる。選挙運動最終日の土曜日には、各候補が最近では定番になりつつある、渋谷のハチ公前で演説を行うようだ。大きな変化は起きるだろうか。

しかし、それよりも、東京を始めとする首都圏では、選挙運動最終日の2月8日に降雪が予想されている。
東京23区でも15センチ予想 大雪に厳重な警戒を(ウェザーマップ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140207-00010005-wmap-soci
一般に、悪天候は投票率を押し下げるとされている。2月9日にも、雪が残ると同じような影響を及ぼすかもしれない。投票率が下がると、既存の支持基盤がものをいうことが多い。ネット選挙の影響は、幸か不幸か、現時点では、マスメディアや地上戦、そして天候と比較して、極めて限定的と言わざるをえない。このような状況は、変わったほうが良いのか、それともこのままで良いのだろうか。変えたいなら投票に行くべきだが、どうにも足を運ぶ盛り上がりに欠くという意見にも多いに共感する。どうなるのだろうか。

しかし、投票率やネット選挙もいわれるが、供託金がネックだろう。都知事選の供託金は、300万円だが若年者の立候補(を始めとする政治参加)を促すなら、ネット選挙よりもまずはこの金額を下げることも考えるべきではないか。物価スライド制ではないが、物価が下落したのだから、供託金の金額を下げるという考え方もできなくはない。

いずれにせよ、大きな支持基盤を背景に、事前に「主要候補」と目されない限り、圧倒的に規模の大きなマスメディアの報道に乗らず、乗らないから当選せず、いつまでたっても泡沫候補のままという悪循環がある限り、まともな聡明さをもった若年世代が積極的に政治参加するようになるとは思えない。

毎日新聞社さんとの2014年都知事選共同研究の第3弾

毎日新聞社さんとの2014年都知事選共同研究の第3弾です。いかがでしょう。時系列に比較いただいてもおもしろいと思います。また、Web版限定で、独自コンテンツの掲載も始まりました。毎日新聞社さんは、いよいよデータ・ジャーナリズムに目覚めたのでしょうか(そうあってほしいです)。

もう一つの都知事選:(1)エリアを越えた「ネット戦」-毎日新聞 http://senkyo.mainichi.jp/news/20140206mog00m010005000c.html

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(第3弾)
本紙・立命館大共同研究:争点にズレ 世論調査…景気、つぶやき…原発-毎日新聞 http://senkyo.mainichi.jp/news/20140205org00m010012000c.html

本紙・立命館大共同研究:「つぶやき」増減は全国連動 原発など顕著-毎日新聞 http://senkyo.mainichi.jp/news/20140201org00m010999000c.html


(第2弾)
本紙・立命館大共同研究:関心事に地域差 陣営、戦術に影響も-毎日新聞
 http://senkyo.mainichi.jp/news/20140127org00m010003000c.html

本紙・立命館大共同研究:つぶやき、原発最多 主な4候補名関連づけで-毎日新聞
http://senkyo.mainichi.jp/news/20140130org00m010004000c.html

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(第1弾)
都知事選:主要4候補、ツイッター分析 「主張」「告知」に二分−−毎日新聞・立命館大、共同研究-毎日新聞
 http://mainichi.jp/shimen/news/20140126ddm001010154000c.html

都知事選:「ネット力」分析 知名度はメディア影響大-毎日新聞
 http://mainichi.jp/select/news/20140126k0000e010103000c.html

都知事選:主要4候補、ツイッター分析 西田亮介・立命館大特別招聘准教授の話-毎日新聞
 http://mainichi.jp/shimen/news/20140126ddm001010157000c.html

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※共同研究概要
本紙・立命館大共同研究 - 毎日新聞
http://senkyo.mainichi.jp/tochiji/analyze/

毎日リリース:ネット選挙「本紙・立命館大共同研究」都知事選で展開(2014/1/24)-毎日新聞 http://mainichi.jp/info/news/20140124org00m040005000c.html

※毎日新聞社の都知事選関連情報
選挙毎日 - 毎日新聞 http://senkyo.mainichi.jp/

※毎日新聞ボートマッチ「えらぼーと」
あなたと候補者との一致度は?投票の参考材料の一つとしてお役立て下さい! #eravote http://vote.mainichi.jp/2014tochijisen/

※国会議員のネット利用についての情報一覧
国会議員名鑑 - 毎日新聞
 http://senkyo.mainichi.jp/giin/index.html

※ネット選挙の基礎知識
ネット選挙:ネット選挙運動の可否 
http://senkyo.mainichi.jp/net/etc/about.html

2013参院選:参院選期間中のツイッター分析 - 毎日jp(毎日新聞)
 http://senkyo.mainichi.jp/2013san/analyze/20130731.html

ネット選挙 - 毎日jp(毎日新聞)
 http://senkyo.mainichi.jp/net/

コメント掲載(『The Japan Times』)

下記『The Japan Times』の記事にコメント掲載されました。
Tamogami finds right-wing niche | The Japan Times http://www.japantimes.co.jp/news/2014/02/05/national/tamogami-finds-right-wing-niche/#.UvO9_-Wt9Nk.twitter

2014年2月6日木曜日

【本日2月6日21時〜】わっしょい!×毎日新聞】データで読み解け!都知事選~「ネット力」と選挙戦術~

2月6日21時〜下記URLにて配信。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv167408179
(以下、上記URLから引用)
---
【わっしょい!×毎日新聞】データで読み解け!都知事選~「ネット力」と選挙戦術~

ネット事業者6社 サービス別「えらぼーと」集計結果と
毎日新聞・立命館大共同研究の結果を解説

投開票まで残すところあと数日…
ついに佳境に入ってきた東京都知事選。
この17日間を、候補者たちはどのように闘ってきたのか?

毎日新聞と立命館大学による共同研究で明らかになった、
各候補者の「ネット力」や選挙戦術など、
東京都知事選をビッグデータで読み解いていきます。

また、番組では、「わっしょい!ネット選挙」として連携している
ネット事業者6社別に「えらぼーと」の集計結果を発表!
サービス別の傾向が明らかに…!?

出演
[解説]
 西田亮介(立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授)@Ryosuke_Nishida
 大隈慎吾(毎日新聞社 世論調査室)
 七尾功(ニコニコ 政治担当部長)
[司会]
 杉本誠司(ニワンゴ取締役社長)

Yahoo!個人のアクセスランキングで1位

Yahoo!個人のアクセスランキングで1位になってた。なかなかぼくみたいなマニアックな書き手がアクセスランキング上位に来ることは滅多にないので、記念のスクリーンショット・・・
2014年東京都知事選候補者がネットを介して有権者と対峙した「 #都知事候補だけど質問ある?」(西田 亮介) - Y!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryosukenishida/20140205-00032341/


2014年2月5日水曜日

都知事選候補者がネットを介して有権者と対峙した「 #都知事候補だけど質問ある?」

若年者の政治参加を促す様々な取り組みを行っているNPO法人YouthCreateが、「ASK TOKYO 2014」という2014年の東京都知事選の投票を促す活動の一環として、2月4日の21時から1時間にわたって、「#都知事候補だけど質問ある?」という企画を行った。Twitter経由で、有権者を含む多くの人々から質問を集めて、それに都知事選候補者たちが答えるという企画だ。宇都宮健児 舛添要一、家入一真、細川護煕の4人の候補者が参加した。

この模様は、現在もTwitterのハッシュタグ「 #都知事候補だけど質問ある?」をたどることで読むことができる。宇都宮健児 舛添要一、家入一真 細川護煕の4人の回答数は、それぞれ「25、11、54、19」だ。公式アカウントの書き込みによると、細川候補は事前に回答を用意した質問に回答するというスタンスだったようだ。参加した候補者が全員ではなく、このように対応に温度差は見られたものの、多くの質問が寄せられ、回答が行われた。まずは候補者の調整や運営に当たられた主催・共催のみなさまお疲れさまでした。

そもそも政策的な主張に乏しいと言われ続けた今回の選挙だけに、こうした企画が、とくにネット発で行われたことの意味は大きいと思われる。有権者から、参加しない候補者がいることも含めて、候補者の「人となり」、政策的主張について知る機会が増えたことは、課題を残すものの、極めて重要だろう。日本のメディアは公選法や放送法、業界の自主規制等の存在によって、「中立公正」「不偏不党」であることが求められるため、特定候補の突っ込んだ話題や主張を、有権者が低コストで知る機会はあまりない。街頭演説を聞きに行くのは、候補者の移動場所を把握したり、移動を伴うので、政治に強い関心がある人が中心だ。

しかし、2013年のネット選挙解禁によって、ネットではかなり自由度の高い選挙運動が可能になった。「 #都知事候補だけど質問ある?」のような企画が可能になったのは、こうした変化を受けてのことだ。双方向性と拡散性というソーシャルメディアの特性を活用して、候補者と有権者を架橋し、「人となり」、それから政策観を可視化する重要な取り組みといえる。

ネット選挙解禁が日本社会に与えうる変化の本質は、投票率の向上等ではない(前者は、他国の事例、そして日本における2013年のネット選挙解禁でも実証されていない。また「理想の投票率」も規定できない。投票の義務化という議論もあるが、普通選挙の実現に至る歴史的経緯からして共感しない)。『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』と『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』では「漸進的改良主義」と呼んだが、ウェブサービスの大きな特性である、強力な透明化と双方向性を政治、政策過程に導入していくことにこそある。

早くも告示日や選挙運動期間中の、ニコニコ生放送での演説会が定着し、それに続くネットの特性を活かした取り組みは多くはない(ひっそり付け加えておくと、筆者と毎日新聞社の都知事選の共同研究などもある)。候補者からのネットを使った発信や周知の手法は進化したが、有権者の立場や視点から候補者の取り組みを可視化する取り組みは多くはなかったのである。このような意味で、「 #都知事候補だけど質問ある?」は貴重な取り組みといえる。

いくつかの課題も残されている。特に気になったのは、回答する質問を、候補者側が選んでいることだ。この形式の問題は、候補者が共通して避けたい話題が回避されたままになることだ。目視で見る限りでは、「人となり」に関する話題の回答が多く、「政策」主題の課題は各候補それぞれの得意分野に集中していたように見える(あくまで目視なので、各自「 #都知事候補だけど質問ある?」を見てほしい)。筆者も、あえて都議会との関係のマネジメント方法など各候補が共通して答えにくそうな質問を3回ほど、ハッシュタグを経由して質問してみたが、いずれも回答は得られなかった。もちろん質問が多かったからということも関係しているのかもしれない。

こうした課題を回避するためにも、田原総一朗さんや選挙報道における池上彰さんのような強力に切り込むタイプの司会者を導入してみてはどうだろう。「人となり」は、うまく答えることで、与える印象を改善できるので、候補者にとっては答えやすい。多くの人が気にするのもそちらだろう。政策的な主題は、政策的な知識や、力量が露骨に可視化され、また失言にも繋がりやすいから、候補者にとってはあまり答えたくない類の質問である。炎上の可能性があるネットなら尚更だ。これらの主題からも、候補者が逃げないように、答えたくない質問にも回答を強く促す、単なる進行役ではない司会者が重要な役割を持つように思えた。

とはいえ、前述したように、そもそも重要な機会だし、何事もいきなりベストな取り組みができるとは限らないから、ぜひ、今後の企画では検討してほしい。「人となり」も重要だけれど、「政策」についての発信も行ってほしい。このような、ネットの特性を活かして、有権者の立場で可視化していく取り組みがさらに増え、日本の選挙や政治、政策過程の透明性の改善に寄与することに期待したい。

2014年2月3日月曜日

ニコ生:2014/02/08(土) 開場:18:57 開演:19:00「都知事選前夜!大胆予測」

安倍宏行さんの【Japan Indepth】ニコ生に出ます。

2014/02/08(土) 開場:18:57 開演:19:00「都知事選前夜!大胆予測」
http://live.nicovideo.jp/watch/lv167942605 より引用)
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元フジテレビ解説委員安倍宏行が2013年10月に創刊した全く新しいウェブ・メディア、”Japan Indepth ニッポンの深層”。 編集長安倍宏行と編集委員や寄稿者たちが毎週、旬な話題を取り上げ徹底討論します! 今回のテーマは、「都知事選前夜!大胆予測」 ゲストはJapan Indepthの寄稿者2人。 永田町の裏の裏まで知り尽くしたジャーナリスト:山田厚俊氏、インターネット選挙活動をデータで読み解く気鋭の学者:立命館大学大学院特別招聘准教授西田亮介氏。 今回の選挙戦を総括するとともに、結果を大胆予測します。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv167942605

2014年2月2日日曜日

2014年東京都知事選挙主要4+1候補と2013年参院選の山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補のGoogleトレンドの比較(2月2日時点)

2014年東京都知事選挙主要4+1候補と、2013年参院選の山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補のGoogleトレンドを比較してみた。山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補は、当時ネット選挙を駆使した候補として知られている。なお3名のなかでは、山本候補のみ当選した。

Googleトレンドは、検索量が、相対的に表現されている。範囲内の最大値を100として比較している。検索量はプラットフォームのコアコンピタンスなので、絶対値は公開されていない。したがって、前者と後者の絶対量を表現したものではないことに注意する必要がある。

また「Yahoo!ビッグデータ」は、検索量と議席獲得数のあいだの相関関係を指摘したものの、それが一般的に観察できる傾向かどうか、またGoogle検索でも同様の傾向にあるかどうかはわからない。つまり、検索量と当選結果の関係性は、現時点では明確ではないことに注意が必要である。
 ビッグデータが導き出した参議院選挙の議席予測−Yahoo! JAPANビッグデータレポート  http://event.yahoo.co.jp/bigdata/senkyo201307/
とはいえ、それらの注意を念頭に置いても、なかなか興味深い結果だった。

■2014年東京都知事選挙主要4+1候補



  • 2014年1月23日木曜日
  •  家入一真: 100
  •  舛添要一: 26
  •  宇都宮健児: 15
  •  田母神俊雄: 28
  •  細川護煕: 26

  •  2014年1月30日木曜日
  •  家入一真: 11
  •  舛添要一: 12
  •  宇都宮健児: 7
  •  田母神俊雄: 6
  •  細川護煕: 18

■2013年参院選の山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補


  • 2013年6月30日~7月6日
  •  山本太郎: 5
  •  三宅洋平: 4
  •  鈴木寛: 1
  • 2013年7月14日~20日
  •  山本太郎: 18
  •  三宅洋平: 22
  •  鈴木寛: 7
  • 2013年7月21日~27日
  •  山本太郎: 100
  •  三宅洋平: 41
  •  鈴木寛: 6
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2013年参院選の3者は、検索量には大きな差があったものの、7月21日の投開票日に向けて、3候補ともに検索量が増加していることがわかる。とくに山本候補の場合は、見事に、投開票日前後に、検索量をもっとも増加させていた。三宅候補も同様の傾向にあった。

2014年東京都知事選挙主要4+1候補はどうか。IT起業家として知られる家入候補が突如立候補を表明したこともあり、1月23日の告示日には、顕著に検索量が増えた。しかし、その後急落している。ウェブサービスやアプリのローンチ直後と似たような状況である。またその他の候補に至っては、告示日以前よりも検索量が減ってしまっている。

2014年の東京都知事選では、各候補がネット選挙のさまざまな対策を行ったことが指摘されたが、少なくとも現時点では検索量を増やすことには有効に貢献していないといえる。選挙戦も残すところおよそ1週間となった。後半戦の展開にも注目したい。

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2013年のネット選挙の経緯と民主主義、キーパーソンへのインタビュー等についてはこちら→
西田亮介,2013,『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』NHK出版.

日本におけるネット選挙解禁の経緯や、論点等についてはこちら→
西田亮介,2013,『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』東洋経済新報社.